コラム
歯列矯正治療の未来
みなさんこんにちは。石井です。
こんなにどこにも行かないお盆休みは初めてでしたが、皆さんはどのような夏休みを過ごしましたか?
短い夏休みも終わって、この猛暑のなか2学期が始まりましたね。
そんなお盆明けに衝撃的なニュースが届きました。
日本国内で有数のシェアを誇る矯正材料メーカーが、矯正事業から撤退するとの通知が届いたんです。
当院でもこのメーカーの矯正材料を数多く使用しているので影響は甚大です。
世界中でグローバルに展開している企業であるため、特にアメリカの矯正歯科事情を反映して今回の決定に至ったのではないでしょうか。
これまで、矯正歯科医が経験と技術に基づいて行っていた診断や治療のプロセスが、少しずつAI(人工知能)に置き換わっていくのではないかと感じています。
藤井聡太2冠が誕生して注目を集める将棋界ですが、ひと昔前まではAIはプロ棋士に全く歯が立たなかったにも関わらず、現在ではAIがプロ棋士を凌駕しています。
医療の世界でも、肺がんのレントゲン診査でAIが放射線専門医よりも高い検出率を示したことが報告されています。
歯列矯正治療もそんな時代が来るのでしょうか?
専門医の知識と経験がAIに凌駕され、AIが提供する診断と治療システムで誰でも治療ができる時代が来るのでしょうか?
歯列矯正にAIを有効に活用できる時代は来ると思いますが、生体は機械ではないので、やはり術者の経験と技術は必要になるのではないかと思います。
手に入らなくなる矯正材料の代替品を検討するだけでなく、5年先、10年先を見据えた矯正治療の在り方を考えさせられることになりそうです。
そうは言っても、まずは材料の確保ですね・・・