コラム
エッシャー展@豊田市美術館
みなさんこんにちは。石井です。
朝晩に感じる涼しさから、秋の気配を感じるようになりましたね。
そんな秋の行楽シーズンですが、先週の休診日に名古屋方面まで遠出をして、豊田市美術館で開催されていた「エッシャー展」に行ってきました。先週の名古屋は灼熱の暑さで参りました・・・
ちなみにエッシャー展は9月23日で終了しています。
M.C.エッシャーは“人間の視覚や錯覚を利用した緻密で幾何学的な画風が特徴”のオランダの版画家で、そのトリックアートとも言える作品は、理屈抜きに楽しめます。
3次元ではありえない構造が2次元の作品に描き出されており、その理屈がいくら考えても分かりません・・・
美術館の正面に掲げられた“滝”の絵も、ありえない構造をしているのですが、なぜそう見えるのか・・・ やっぱり分かりません(笑)
そんなエッシャーの絵の中に自分が入り込む仕掛けが企画されており、私も入り込んでみました。
“写像球体を持つ手”というエッシャーの代表作の一つです。
エッシャーに興味を持つきっかけになったのは、2010年にオランダ・アイントフォーヘンで開催された矯正関連の学会でした。
矯正歯科での3次元診断や3次元シミュレーションをテーマにした学会で、2010年当時に参加したときは刺激的で矯正歯科の未来を覗いた気がしました。
さすがに14年前、私もまだ若いですね。
この学会で、3次元を考える一つのアイテムとして「エッシャー」の作品がオマージュされており、様々な場面でエッシャーの作品が紹介されていました。
会場のスクリーンに映し出された“写像球体を持つ手”です。
学会の内容もエッシャーの作品も含めて、これまで参加した学会の中で、こんなに記憶に刻まれた学会はないと思います。
このときには2次元から3次元への移行がテーマになっていて、まだまだ実用的にはないものの少し先の未来を覗く感じでしたが、その少し先の未来が14年経った今な気がしています。
かなりこのときに覗いた未来に近い現実がやってきているように思います。
矯正歯科医にとって、2次元から3次元を想像する能力は必要不可欠ですが、その3次元をデジタルで可視化できることは非常に有益です。
職人気質的な技術だけでなく、デジタルの恩恵を受ける時代が来ているのかもしれないですね。