歯とお口の豆知識
舌の癖(舌癖:ぜつへき)
みなさんこんにちは。石井です。
最近診察をしていると“舌の癖”のある患者様をよく見かけます。“舌の癖”と言われてピンとくる方もいれば、何それ?という方もいらっしゃるでしょう。
まず皆さん、そのまま唾を飲み込んでみて下さい。
唾を飲みこんだときに舌の先はどこにつきましたか? 上の前歯の裏辺りでしょうか? それとも下の前歯の裏辺りでしょうか?
正しい飲み込み方をしていて、正しく舌を使っている方は“上の前歯の裏側”に舌の先がつくはずです。下の前歯の裏側につく方は“舌の癖”があると思って間違いありません。
舌の癖のことを総称して“舌癖(ぜつへき)”と呼ぶのですが、弄(ろう)舌癖、舌突出癖というように舌を前歯の間に挟んだり、舌で前歯を押したりする癖が代表的なもので、そのような癖のある方のほとんどは低位舌(リラックスしたときに舌が下の歯列に収まった状態)で、口呼吸をしています。
この舌癖が原因で歯並びが悪くなることは矯正歯科では当たり前のことなのですが、一般の患者様にはあまり知られていないのかもしれませんね。
上の写真の患者様の場合、前歯がしっかりかみ合っていないのは、歯が生えかけなことだけが原因ではなく、舌を前歯の間に挟む“舌癖”があることが大きな原因です。
ご自身の前歯の噛み合わせを鏡を見てチェックしてみて下さい。上下の前歯の間に隙間がありませんか? 唾を飲みこんだときに舌の先が下の前歯に当たりませんか? 普段気付いたら口で呼吸をしていませんか?
思い当たる点があれば明らかに歯並びを悪くする要因があると言えます。頑固な舌癖は一朝一夕には改善しませんが、日頃からの意識付けや、場合によっては鼻閉の改善が必要だったりします。
まずはセルフチェックからですね。気になることがあればお気軽にご相談下さい。