歯とお口の豆知識

中心結節

みなさんこんにちは。石井です。

いよいよ長かった夏休みも終わります。今頃は宿題に追われている子どもたちもいるかもしれませんね。

そんな慌ただしい夏休みの中、数多くの子どもたちに来院してもらっていますが、今日は少々ドキッとしました。

大きな虫歯もなかった子どもさんが、「下の奥歯の歯ぐきに違和感がある」と来院されました。違和感があると指さすのは“前から5番目の歯”。第二小臼歯という歯です。

虫歯のない” “下の第二小臼歯” に “急に違和感が出てきた” ということで、最初に疑ったのは中心結節の破折です。

中心結節というのは、主に小臼歯に生じるツノのような突起のことを言います。

中心結節自体に問題はないのですが、歯の神経がこの突起の中まで入りこんでいることがあって、突起が折れると歯の中にバイ菌が入ってしまい、歯の神経の炎症を起こすことがあります。

 

もし、中心結節が折れて、歯の神経に感染が起こってしまったら、歯の神経組織を取り除く治療が必要になります。大きな虫歯ができて歯の神経がダメになってしまうのと同じ症状・状態です。

 

そのため、中心結節がある場合は、折れないようにツノの周囲をレジン(プラスチック樹脂)で充填して補強します

何よりも折れないことが最優先です。

 

 

幸い今日来院された患者さんは、中心結節の破折ではなかったので、歯の神経組織を取り除くような処置は必要なかったのですが、これまでにも不幸にして中心結節の破折が原因で歯の神経の治療が必要になった患者さんに出会っています。

小児歯科医として、永久歯の神経の治療というのはできるだけ避けたい治療なのに、虫歯にもなっていない永久歯の神経の治療するときほど残念な気持ちになることはありません。今日は一瞬そんなシナリオが頭に浮かんだのでドキッとしましたが、本当に中心結節の破折でなくて良かったです。

中心結節は折れてからでは手遅れになることもあります。奥歯が生え変わってきたら、永久歯にツノがないか良く見てみて下さい。そして何よりも定期的に歯科を受診しておくことが大切ですね!