歯とお口の豆知識

乳歯列交叉咬合

みなさんこんにちは。石井です。

乳歯のときから歯並びを心配される親御さんも多くいっらしゃいますが、基本的に歯並びの治療は乳歯列のとき(乳歯だけ生えているとき)には行いません

ただ例外があって、反対咬合(受け口)や交叉咬合(左右どちらかにかみ合わせがズレている)の場合は、乳歯列であっても治療の対象になります。

特に交叉咬合は、成長に伴って下顎のズレを増悪する可能性が高いため、早期に改善することが望ましいと考えられています。

下の写真は以前僕が治療した乳歯列交叉咬合の患者さんの治療前と治療後になります。

 

上の写真の患者さんは、左側が交叉咬合になっていて、下顎が左へ偏位しています。

乳歯列交叉咬合上顎歯列の幅が狭いことが原因であることがほとんどで、上顎を拡げてあげることで正常に噛めるようになります。上の患者さんも上顎歯列を拡大しました。

昨年参加したアメリカ矯正歯科学会の早期治療のセッションでも、交叉咬合治療のタイミングが遅れると、上顎にも左右差が生じてくることが言及されていたので、骨格的な影響が出ないうちに治療することが望ましいですね。

先に述べた通り、乳歯の歯並びの多くは治療の対象にはならないので、多少歯並びに問題あっても急いで治療する必要はないのですが、中には交叉咬合のように早期治療が必要な歯並びもあります。

乳歯であっても歯並びで気になることがあれば早めに相談されることをお勧めします。